原作通りにつくらない理由 〜灼眼のシャナIIの場合

http://www.geneon-ent.co.jp/rondorobe/gne-sg/の第2回の50分ごろから,プロデューサの2人が,シャナ2について,原作通りでない理由を語っていて,興味深かったので文字起こししてみました.
文字面だけだとニュアンスが全然伝わらないので,興味ある人はちゃんと聞いて欲しい.あと第1回ではアニメの規制についての話だったので興味ある人はそちらも.
個人的には超同意できますが,反論がある人は番組にメールすれば,この2人ならちゃんと読んでくれるんじゃないでしょうか.
この番組なら,キミキスの件で騒いでいる原作ファンの人も,頼んだらプロデューサを引っ張り出してくれるかもしれません.



(OPが激しい曲で,それに負けない絵を作るのが大変だったという話の流れから)


第1期のシャナの流れを,違うかたちで,曲でも表現して壊していくじゃないですけども,
何が起こるだろうというワクワク感ドキドキ感というのを,
やっぱチーフプロデューサとしては,松倉さん(J.C.Staffのプロデューサ)にも監督の渡部さんにも話をしたんですけども,
小林さん(シリーズ構成)にももちろん,弥七郎さんにも話をしたんですけど,
原作ファンも含めて本当に何かワクワクするな,何かドキドキするなあっていう,
そうゆうシャナにしたいです,と.


up やっぱ,ワンという作品,シリーズがあって負けたくないみたいな,
そうゆうのはあるわけですよね.


予定調和な続編って,僕ははやりたくなかったんですよ.セカンドで.
もちろん原作通りにやらなきゃいけないっていうとこもあったんでしょうけども.
もちろん原作通りにやってる部分もあります.
ただやっぱオリジナルで冒険をしながら,
第1期で削ぎ落とした設定も含めて,そこも回収しながら,新たに肉付けをして,
シャナっていう世界を僕らなりに,
すいませんやっぱ,
あの,小説の世界を100パーセント見せるっていうのは不可能です.


up まあ,まあね(苦笑)


言います.不可能です.


up それは,まあ.


原作通りでないと怒る人たちがいっぱいいますけど,
すいません.
表現方法が違うので不可能です.


up まあでも,100万人の読者がいれば,100万個のシャナがあるわけです.
小説の場合は,きっと.


特に絵で表現してるメディアではないものを,絵で表現する.
みんなの想像してるものを表現する,出すっていうのがすごい難しいってことだってのを,
前回のシャナをやっていてすごい思いましたし,
ファンの子たちの頭の中のシャナと,我々は戦っていかないといけないんですよ.


up そうですね.
そこがその最大公約数的な逃げ道を探すというよりは,
結構今回もね,オリジナル要素がありで.


だからってもう完全に,原作のことを忘れますよとかそういう話ではないんですよ.
原作をアニメっていう映像表現で出すには,
だから,映像で表現する灼眼のシャナのベストはどれだ,
っていうのを我々的には,追い求める形での,
灼眼のシャナIIかなと.


up まああの,弥七郎先生にも中に入っていただいてね.


「おまえら,僕たちの大事な灼眼のシャナってタイトルを使って何をやっているんだ」
というのをお客さんに言われたら,やっぱり,僕らとしては負けですよ.
それはもちろん,そういうこという人は絶対いるし.
100パーセントねえ,みんな認めるとしたらそれは宗教だから,単なる.


up うーん,まあそうですね,確かに.


僕らそういうことできないっていうのは分かるし,不可能なんですよね.
ただ最大公約数みんなに,うん,あの,
灼眼のシャナっていうタイトルをフィルムとして出したときに,
こうゆうものだ,っていうもので,うん,
ここはこうだけども,ある程度僕としては納得してくれる
っていうファンの子たちが多くいてくれたら,
それは僕は成功かなって思ってますけど.
あの,すいません.
最初からこうゆうこと言うのも,すでに負けを認めているじゃんって言われたら,
揚げ足取りなヤツらにはそう言われるかもしれないけど,うん,
あの,ごめんなさい,不可能です.


up うーん.いやそれはね.それはおもうなあ.


なんでかっていうと,メディアが違うからです.
表現方法も違えば,みんなに伝える方法論も違うし.
僕よく原作モノをやらしてもらっていて,
やっぱ,ただ,
ファンの子たちが一番その作品を大事にしてるっていうのも当然僕らは理解してます.
理解してるだけど,その中で,あえて,
やっぱり何とか近付けたいって努力はしてます.
ただ,
まんまをやっちゃってそれが面白いのか,っていうこともあるんですよ.


up うん,まあそうでしょうね,それは.


シャナを知らない人たちにも見てもらいたいんですよ,僕たちは.


up まあ,セカンドから見てくださる方もいますからね.


今まで知らない子たちがそれを手に取って,読んでもらって,
「あっ,原作はこうゆう面白さなんだ」っていうのをまた知ってもらって
違う,その高橋さんの原作のシャナを知ってもらって
それでまたアニメに帰ってもらって
「ここが違う.ああ,アニメとしてはこうなんだ.原作はこうなんだ」っていう
そうゆう楽しみ方,
通り一辺倒な楽しみ方じゃない楽しみ方.


up 僕らもシャナプロジェクトと銘打って,いろいろなアプローチをしているわけですけど
映像化することに対してのアプローチであるということですね.
原作は原作としてまずはあって,
コミックもありますしねえ.


コミックもあるし,
当然発売されてますけどゲームもありますし.
いろんなメディアのシャナっていうところでの
このシャナはこう,このシャナはこう,あの,
シャナのファンの子たちにしてみれば,原作の弥七郎さんの文章を見て頭に描いたシャナがベストなのは僕たちも理解しています.
そこを良い意味で裏切りたいなって思う部分もあるんですよ.
ただそれが,逸脱しないように弥七郎さんに見てもらう.
原作者として,よりその灼眼のシャナを面白くしてもらう立場としていてもらう.
弥七郎さんも快諾してくれて,本当毎週来てくれているんですよ.
脚本打ち合わせに,大阪から.


up 毎週ね.


うん.


up 頭が下がりますよね.


いや本当に,もう
この場を借りて,高橋弥七郎さんには本当に感謝をしております.
それくらい僕たちとしては真剣に作っているセカンドです.
ただでさえパート2って,あの,「どうなの?」って見られがちなんですよ.


up どうしてもね.どうしてもあるんですよ.


どうしてもあるんで.
やっぱそれをですね,やっぱり
打破したいなってのもあるし,
そういった部分でチャレンジングな部分もありますし.
まあ,あのぐだぐだ何をいってもしょうがないので,
とりあえず毎週見てください.
ここにつながるわけですよ(笑)


up まあ,見ろよ.


まあ,見てください.


(放送局情報に続く)